本当は近くにいたい。





でも、今はこの距離でいい。



この距離から君を想う。





俺は心の中で空の名前を呼ぶ。



俺が居るから…って。













「渚くん…」




おやじさんが俺を呼んだ。




顔を上げおやじさんを見た。



少し微笑んで、手招きをする。






俺はおやじさんの方へ向かって歩いた。






「空が…君を呼んでいるんだ」







空が?





空を見るとすごく苦しそうに息をしていた。




「な…ぎ…、ぎ…さ」





そんな中、俺の名前を必死に呼んでいた。