ガラッ




病室な扉が開いた。



おばさんはやっぱり泣いていた。

おやじさんも涙を堪えている。



「渚くん…。後は君が空の傍に居てあげてくれ…」



おやじさんの一言に俺は驚きを隠せない。




「今の空には、君が必要なんだ。だから…空のこと、最後まで頼む…」


おやじさんは深々とお辞儀をしてきた。


本当はおやじさんたちが傍に居たいはず。

なのに、おやじさんは真剣で、どうしたらいいのかわからなかった。



でも、それに答えるしかない。


それがおやじさんたちのお願いなら聞いてあげたい。


俺自身も今すぐにでも空の傍に居たい。




「…わかりました。お言葉に甘えさせてもらいます…」


俺も深くお辞儀をした。



おやじさんは俺の肩に手を置き、強く掴んだ。



その手から気持ちが伝わってくる。





おやじさんはおばさんを支えながら歩いて行った。