「渚くん…」
突然、おばさんが俺を呼んだ
顔を上げると、おばさんもおやじさんも目が赤い。
「少し…空と話したいの」
そうだよな。
大事な娘だもんな。
「わかりました。廊下にいますね…」
俺は病室を出た。
俺だけが悲しいんじゃない。
俺以上に空の親は悔しくて、悲しいんだ。
話したいこともたくさんあるのに、俺だけってのは悪い。
家族の時間が一番大切だと思う。
そこに俺が居ちゃダメなんだ。
俺は座り込んで泣いた。
あふれてくる涙。
こんなに泣いたこと、今までにあっただろうか。
拭いても拭いても涙は止まらなかった。


