「でも…あいつは泣きながら言ったんだ」






『私は初めて本気で好きになったの!今、この時間を大切にしないと私……絶対に後悔すると思うの。それだけは嫌!お父さん…私ね、すごく幸せなの…』







「--俺はそれを聞いて言い返せなくなった。あんなに真剣なあいつを見るのは久しぶりで、すごく生き生きしていたんだ」



悲しそうな顔をしていたけどすごく嬉しそうな顔だった。


まさか空がそんなことを言っていたなんて…。




俺はなんて幸せなんだろうか。


こんなも想われて、これ以上の幸せなんてあるのだろうかと思うくらい嬉しかった。





おやじさんは急に俺の肩を掴んできた。


おやじさんの手に力が入っていく。



「俺は嬉しかった。あんな幸せそうな顔を見て、俺まで幸せになった。なのに…俺は間違っていたのだろうか。あの時止めていたら、空はこんなに苦しまなくて済んだんじゃないかって…」