タバコを吸ったおやじさんはすごくかっこよかった。


自分を落ち着かせるように吸っていた。




「少し前までの空はあんな風に笑わなかった。でも、あるときから急に病室を抜け出すようになったんだ」


抜け出すって…!



「君に出会ってからずっとね…。最初は反対していたんだ。完全に回復もしていないのに勝手に飛び出して、夜は遅くに帰ってくる。ただでさえ心配しているのに…ってね」



俺の知らないことばかり。


おやじさんは呆れたように笑っていた。



「一回俺は怒ったんだ。『いい加減にしろ!自分の身体を大切にしなさい』ってね」


きっと俺が親でもそうやって怒ってたと思う。


おやじさんが言ってることは正しかった。