「空ちゃん落ち着いて!ゆっくり呼吸して!」



いつも空の担当をしてくれていた看護師さんが空に話しかけていた。


空はゆっくり頷いて看護師さんに合わせて呼吸をしていた。





「渚君…ちょっといいか?」


俺は空のおやじさんに呼ばれ、部屋を出た。



本当は早く空の傍にいてやりたい。


でもおやじさんの真剣な顔を見たらそうもいかなかった。





「空の傍にいてやりたいのにすまないな」


俺の心を読んだかのようにおやじさんは言った。



「君にはちゃんと話さないといけないからね」



おやじさんの目は真剣そのものだった。


でも、どこか悲しそうだった。