今、俺は305号室のドアの前に立っている。 入ろうと思うが身体が言うことを聞かない。 変に緊張してしまう。 この扉の向こうには彼女がいるはず。 開けるのに勇気がいる。 俺の知っている空はちゃんといるだろうか…。 トントンッとドアをノックする。 「…はい」 きっと空の声だろう。 出そうな涙を止め、ゆっくりと扉を開いていく。