「乃亜〜」 「なぁに〜?」 佐助の声が風にさらわれていく。 「……お前、見かけによらず重い」 「なんか言った?」 佐助の肩に乗せていた手を首元に移動させる。 「なんもない」 「じゃあ次右曲がって」 「へいへい」 スイ〜っと風がおでこをかすめる。 気持ちいい。 酒屋さんが見えてきた。 「佐助。ストップ!!」 酒屋さんの隣が私の家。 酒屋さんは孝ちゃんの家。 「あら、乃亜ちゃん。彼氏かい?」 突然声をかけられた。 声の主をたどると、孝ちゃんのお母さんだった。