「ん〜……ハードロックな歌」 「余計寝らんねぇだろーがよ」 病人なのにお構いなしにチョップをしてくる。 「んじゃ、昔話がいい」 「はぁ?! ……ったく。むかーし、むかし、じっさまとばあさまがおりましたとさ」 「桃太郎?」 「文句ある?」 「ありきたりすぎ」 「注文の多い奴だな。じゃあ何がいいんだよ」 溜息を吐きながら、お盆の上にあいた食器を重ねていく孝ちゃん。 「……う〜ん。孝ちゃん!」 「は?」 「孝ちゃんの昔話がいい」 「俺の昔話なんてお前知ってるだろ?」