やっと口を開いた秋人。 「うん…」 「昨日…街で悠里が… 男と歩いてるの見たんだ…」 俯いてしゃべる秋人。 お姉ちゃんが…? 男の人と…? はっ、と思った。 もしかして…それって、 お姉ちゃんの、好きな人…? でも、違うかもしれない。 そんなこと言って、秋人を傷つけるかもしれない。 そう考えて、 とっさに、嘘をついた。 「…別、に友達とか、そんなんかもしんないよ…?」 顔を上げた、秋人の顔は 哀しそうだった。