追っかけバンドマン



「えっと、橘 直樹っす。直樹でよろしく!!年上とか俺的~、音楽に関係ないとおもうんっすよぉ~、だから、もちタメOKっすよね?」


「あっはい。」


「……はい。」



数分前、


よろしくね~、とか言って、こっちわ何も言ってないのに、ずかずかとあたしのところに座り、オレンジジュースを頼んだ。


そして、今にいたっている。


語尾をのばして、髪をいじっくって、そんな風に挨拶されったって、さすがにいい気わしない。
沢北さんだって、眉をピクッと動かしてぎこちない笑顔で聞いている。


「あっ、本格的な練習いつからっすかぁ?俺~今バイトしてるんっすよね、んでぇ~週3なんすけどぉ~、やめた方がいいっすかね?けっこう金たまったんでぇ~、潮時っつうか、そんな感じなんすよねぇ~、どうっす?」


「あっ、えっと、うん。あの~…、まだ橘くんが正式に決まったってわけじゃないし、まだ希望者がいるからさ…、また電話させてもらうし…」


「えぇ!?そうなんっすかぁ?」


「うん、まあね。」


嘘ばっか、バンドに入りたいって言うのわ橘くんしかいないはず。
きっと沢北さん、一番やわらかい断り方を選んでいるんだ。

あたしだって、この人とうまくやっていく自身わあまり、無い。

仕方ないけどまた1から、探すしかない。