崩れ落ちた男の向こう側に、リヒターがいた。
「ノインは殺戮マシーンじゃ、なかったっけ?」
ノインは、黙りこんだ。
たしかに、そう思われていたらしいことはある。
けれど、そんなこと、どうしてリヒターが知っているんだろう。
「リヒター?あんたいったい何者?」
リヒターはニッコリ微笑んだ。
「オレはドライだ」
ああ!!
そうだったんだ。
何となく、頭以外のところでは、気づいていた気がした。
リヒターは、自分がオメガを塗った張本人だったんだ。
「ノインが覚えていてくれたとは思わなかったけど」
ノインは首を横に振った。
「覚えてたよ。生きて、たんだ」
リヒターは頷く。

