歩いて行くと、ノインが倒れた廊下の先が見えた。 正確には、ぽっかりと穴をあけた空間だ。 記憶をくすぐる香りだけ残っていて、ちょっとくらくらする。 けれど、爆発は、綺麗にモノを吹き飛ばしてしまったらしい。 その光景を見て、ノインは廊下に座り込んでしまった。 リヒターは、この日のために、ずっと長い時間をかけて準備していたのかもしれない。 思って、引っかかるものを感じた。 こんなにキレイに吹き飛ばせるほどの爆薬を運びこんだ? いや、違った。 昔、ドライが塗り付けたオメガを、誘爆させたのだ。