「それじゃ、リヒターも危ないんじゃない?」 ベリルは黙ってノインを見ると、 「その、リヒターが、私とノインを襲わせたのだ」 ノインは短く息を吸い込んで、黙った。 「彼は、施設を破壊する工作に、ノインに関与してほしくないようだった」 「何で?」 ベリルは、黙ってじっとノインを見ている。 「もしかして、ベリル、それがわかってて、さらわせた?」 返事はない。 けれど、否定もしなかった。