ノインは体が冷えていく感覚で目を覚ませた。 自分が、床の上にいる。 見ると、ビルのワンフロアで、張り巡らされた裸の窓から、外の景色が見渡せる。 その窓を背に、ベリルが座っていた。 「おはよう。ノイン」 「ここ、どこ?」 ベリルは首を横に振る。 「すまない。麻酔を使われた。私は、麻酔薬には勝てないのだ」 「じゃ、ベリルもあたしも、眠らされて?」 「そのようだ」 ノインはハッとした。