「遅刻だ。理由はだいたい想像がつくが」 ベリルは、ノインを眺めて言った。 「何だろ。急に綺麗にしてみたくなった」 言いながら、正面のイスに腰掛ける。 「女性なのだから、当然なのではないか?」 「こんな時に?」 「そういう心理まではよくわからないが」 ノインは、黙って、ベリルを見つめた。