カフェに着くと、店の中に席を陣取った。
それも入り口近くの窓際。
リヒターは、そこでまた表情を変えた。
温厚な青年から、真面目な青年になり、
おまけにあまり積極的に出られない風な
性格まで加味してしまった。
まっすぐにハニカミながら、ノインを見
る。
今頃ノインはカレをよく観察した。
暗い色の金髪を刈り込んでい、目は碧い。
ラテン系の顔じゃないので、黙っている
と、凄く近寄りがたく、怖い雰囲気なん
だけど、こうやって屈託なく笑っている
と、なかなかイイ男である。
そいつが、いきなりその目を熱っぽく染
め、覗き込むように見てくるのだ。
ノインは視線のやり場に困った。
リヒターはやさしい微笑みを浮かべると、
「オレはリヒター ランゲ。君は?」
ノインは名乗っていいのか、考えてしま
った。
けど、身の上調査も兼ねているのかもし
れないと思い、
「ノイン ツバクラ」

