「こっちだって、立場の危険を承知でや
ってるんだ。これ以上の危険をしょい込
むのは割に合わない」
ノインはミラーに映る、リヒターを見た。
彼もミラー越しにノインを見て
「ベリルだ。彼に頼まれた」
ノインの中から緊張感が一気に消えた。
「生きてたんだ」
「あれ?知らないのか?彼は不死だぞ」
それはわかってるけど。
「何があたかしらないが、生きている。
でも今は動けない状態らしくて、オレが
代わりに動いたんだ」
「あなた、一体だれ?ベリルを知ってる
なんて」
リヒターはじっとノインを睨むと、ちょ
っと吐息を吐いた。
「詳しくは言えないが、諜報員だ」
「・・・って、スパイってこと?」

