それに、拷問担当はきっちり背中しかぶ
たなかった。
背中を見せなければ、何で弱っているの
かわからないような綺麗な状態を保つの
が好きなのか。
それとも、あたしが吐いたあとで、確認
に現れる上官が、血で汚れた姿をお好
みじゃないのか。
とにかく、背中を見せないようにしたの
に何でリヒターにバレたのか。
それに、見たのなら、なぜもっと驚かな
いんだろう。
「あの・・・見た?」
「何を?オレは背中の血なんか見てな
いけど」
「え・・・と」
「見なくてもわかる。あそこの拷問担当
は、いつもそんな感じに痛めつけるん
だ」
ノインは、後部座席に移ると、ナイフを
構えた。
「何で、わかったんだ」
「ちゃんと答えるから、物騒なものを振
り回そうなんて考えるな」
読まれてる?
あたしの動きが?
こんな一般人に??

