「こんなところで何してるの?」

ノインはニッコリ笑った。

「納品しに来たんだけど、相棒に置いて帰
られて困ってるんだ。守衛が怖そうだから、
話しかけにくくて。どうやってでようかって」

彼はニッコリした。

「わかった。じゃ、ここで待ってるといい。後
でこっそり乗せて言ってやるよ」

ノインはホッとした。
これで、ここから逃げられる。

「ところで、あなたは何の納品?」

「試薬だ」

ふうん。
じゃ、表向きにも何かの研究施設なのか
も。
とにかく、整備された庭を愛でながら、彼
を待つことにした。