綺麗な顔立ちと持って生まれたかわいい
雰囲気のせいで、天使のような微笑だ。
男は、苦悶の表情を浮かべたが。
ノインは男の足の付け根に突き刺した、
ナイフを引き抜いた。
もう少しで、頚動脈をざっくりいくとこ
ろだった。
けれど、かなり流血して、ノインの服に
もついてしまった。
懐かしい血の香り。
背中で女神が哂う。
立ち上がりながら、男の顎を蹴りつけた。
若干でも、色仕掛けなんて、ノインのも
っとも嫌な手段を持ちいらせるほどに、
彼女を追いつめた奴らが憎らしかった。
ノインは近づいた男が身に着けているの
を捕らえていたナイフを拝借したのだ。
ついでに、殊銃もいただく。
敵の本拠地に連れてこられるつもりだっ
たのに、誤算もいいとこだ。
よろよろと少し開いたままになっていた
ドアをすり抜ける。
外に出て、驚いた。
訳のわからない僻地へ連れてこられたと
思っていたのに、
手入れされた庭と、白い巨大な建物があ
った。
ここ、もしかして、本拠地じゃ?

