部屋では小さな変化が起きていた。
ハートのオブジェに光が宿っている。
電池も見当たらない。


愛が光るにはそれなりの理由がある。
僕は、手の平で転がしたり、顔の前に掲げてみたりした。

それでも光るものは光るし、気になって仕方ない。


次第に熱を帯びてきた。
いたたまれなくなって、僕はそっと机の上に戻した。

急激な睡魔に襲われ、見たかったはずのテレビ番組すら見れずに、ベッドの上で眠りに落ちた。


次第にまどろんで来て、微かに夢の中にいる感覚を掴んだ。


夢の中での僕は、少し大人びていて、車のハンドルを握っている。
サービスエリアに立ち寄る為に、車線を左に変更する。
その手の感覚も確かだ。