□朔□

 爆睡している男を後目に、由美子は立ち上がり洗面所へ向かう。とりあえず、酒で麻痺した口の中をさっぱりさせたい。
 ゆっくりとベッドから立ち上がると微妙に揺れる。まっすぐに歩けず、よろめいてしまう。思わず、手を付くと物々しい音が部屋に響きわたった。
 焦って男の方を振り返ると、うーんとうなり声を出した後、寝返りを打ち寝ている。
――安堵感。
 洗面所に向かいいそいそと歩いた。早く目を醒まさなければと思う。由美子は、少しだけ焦った。