____苺の季節____

「あ、時間だ……、行くね?

鳴海、怪我しないように気をつけて…」


「ああ、わかってる」


離れるのは寂しい。


でも、あたし達はそれぞれやらなければならないモノがあるから、笑顔で手を振る。


何とも言えない気持ち。


鳴海の心の側に、あたしはいるのかなって、不安も押し寄せる。


「あ…!杏奈…、祭りの夜、空いてる?

一緒に…行こうな」



笑顔を見てホッとする。


「うん!勿論だよ」


あたしは、祭りの出店、一緒に歩く夜の景色に想いをはせて、嬉しくてにやけちゃう。


「何、笑ってる?ニヤニヤして、変なヤツだな、杏奈は~」


「何よ、もう!」


鳴海が笑うとあたしも嬉しい。


この時ね、鳴海の笑顔を守りたいって思った。


そう、ずっと、ずっと……ね。