____苺の季節____

あたしの手を覆う先輩の手に力が入る。

「あ、あの、手」


逃れようと手を強く引こうとした瞬間、逆にあっという間に胸の中に引き寄せられた。



慌てて両手でグッと胸を押したけど、びくともしないから拳を作ってドンドン叩いた。


「イテッ…、杏、ごめん、落ち着けって」


先輩はそう言うと腕を動かす隙間がないほど、更にあたしを抱き寄せた。


「杏、俺さ……、好きなんだ、お前のこと、ごめん、好きなんだ」


強く抱きしめたまま、耳元で声を響かせる。



「俺、バカだろ?

お前には彼氏がいるのに、叶う訳なんかねーのに、ずっと、ずっと好きで、


ただ、好きでいるだけにしようって…自分に言い聞かせてたのに、


ただ、想ってるだけにしようって……決めてたのに、


なんか、抑えきれなくなっちまったみたいだ」