____苺の季節____

「杏奈ちゃん、いらっしゃい……、ありがとう、


あら可愛らしいスカートね、よく似合うわ、


やっぱり女の子は良いわね、

ひとりいるだけで華やぐ、
うちはむさ苦しいのよー」

なんて笑顔を見せる鳴海のお母さんは、顔色も良く、元気そうに見えた。


宿泊研修の写真も、コンクールの写真も喜んで見てくれて、「可愛い、可愛い」の連続。


それから、お母さんは鳴海の小さい時の写真を用意していて、あたしに見せてくれた。



ぷくっとしてた赤ちゃんの頃、やんちゃくさくなってきた幼少の頃、


小中学生の頃、


「ああ、これ、陸上始めた時の、


左はお兄ちゃんの宏(ひろし)、反対側は満君ね」


満……、どこかで聞いた事がある名前だけど。


「みっちー、みっちーだ、
うちのクラスの中里先生、
兄貴のダチなんだ、

小中から大学までずっと一緒だったからよく知ってる、

この写真は、俺が中坊で、兄貴達は大学ん時のかな、

兄貴達も陸上やってたから」