「さぁみなも様今日は経済の勉強しますよ」
私の勉強は純那がいつも見てくれてる
それはいいとして……
「待って」
私には不満がある
「何ですか?」
「最近外に出てないんだけど」
あの日から私は全く外に出てない
ショッピングに行くことさえも許されない
「最近の日本は危険ですからね――
ここに居ればみなも様は安心ですよ」
教科書を開こうとした純那に私は教科書を閉じる
「いい加減にしてよ!
自分の庭にさえ出られないんで何か隠してない?」
「隠してないですよ」
「やっぱり!!」
「やっぱり?」
純那が嘘をつくときは決まって頬がケイレンする
「ねぇ!何、何を隠してるの?」
「…………」
純那は答えない
「私調べたのよ
最近家の回りに悪質なイダズラが増えたって
本当に?」
もちろんこれはハッタリ
みんな私に気を使って教えてくれない
「………ハイ」
マジっ?!
「多分秀吉様を恨んで」
「……なんで秀吉が関係あるの?」
「水無月秀吉の生まれ変わりは梅香家みなもと分かって……」