「うすうすはわかってたけど、見事にみんなバラバラやなぁ〜」

「お前らが受験に失敗して里中に来たらいいんだよ」

「受験生に失敗とか言うたらあかん!!あかんでぇ!!縁起の悪い!!」

「だって、なんか受験生って感じしねぇ〜んだもん」


「あっ……やっぱり?実は俺もやねん。っていうか受験って何?みたいな感じ」

「受験受験ってさ、なんか堅っ苦しいし、やる気も起こんないし」

「せやなせやな♪受験ってきいただけで頭痛くなるやんな」



「別に俺は受験が嫌なわけじゃねぇーんだ。ただ、このまま、大人たちに言われるまま素直に受験勉強に励むのも癪だし、なんか大きいことやってモヤモヤした気持ちをスッキリさせたいってだけなんだ」


「そうそう♪別に受験が嫌なわけちゃうねんな。
俺は勉強自体が嫌やねんって」


「……それは、やれよ。じゃないと浪人になるぞ?」

「……気分落ちるようなこと言わんといて〜な」

「俺が言わなきゃお前やんないだろ?」








「……それもそうね」


でも……とザキは言いながら小さなおもちゃのバスケットボールを手に取った。