ジョーとザキと俺。


3人でいる時間が何よりも俺が求めるもので。


何よりも大事なものだから。



最後の悪あがきくらいしてやりたい。


素直に勉強しますなんて言って親のご機嫌取りみたいなことはしたくない。



俺は俺の大切なものを守りにいくんだ。



逃げるわけじゃない。


守るんだ。



「ほら、邪魔だから部屋帰れよ。あと、お母さんには言うなよ」


「都合悪くなったらすぐこれなんだから。
……でもお母さんには黙ってるから。面倒くさいし」


未帆は背中を見せるとそのままピラピラと手を振って部屋から出て行った。


我が妹よ。

年下の癖に冷めていて。

年下の癖に生意気で。



その性格なんとかなんねぇかな?


妹の姿が見えなくなったことを確認し、俺は、再びカバンにタオルを詰め込み始めた。