「ジョー……俺は高校バスケじゃ通用しないんだよ。
身長が足りないんだ。
ザキはバイトを始めてお母さんを助けたいんだ」


「そや、俺らにも俺らなりの辞める理由があんねん。
だから、このバスケ行脚が終わったら、3人でバスケを終わらそうや」



ジョーは寂しげに俯くと、いきなり顔をあげた。





「そうだよね……僕だって辞めるのに、2人には続けてほしいなんて勝手すぎるよね。ごめん」


俺たちはあんなに頑張ってきた。


あんなに努力をしてきたバスケを忘れるんだ。


それは、バスケ一色だった俺の中からバスケが消えてしまうんだ。


寂しいけれど仕方ないことなんだ。


バスケと向き合ってさよならをしなけりゃいけないんだ。






「よ〜し、なんか辞めるって思ったらスッキリしたな。バスケ行脚楽しもうぜ!」


「じゃあもっと細かい計画たてよう」


「とりあえず腹減ったなぁ。オヤツ食べよか」



俺たち3人の濃い夏休みは始まったばかりだ。