「麦茶をビールみたいに飲むなよ」


「これは麦茶以外の何者でもないよ」


「飲み方の問題だよ」


「そっか……」

ジョーは机の上に残った水滴をティッシュで拭いた。



「昨日、面白いことはないかって話してたでしょ?」


「話したねぇ。確かに話したねぇ。
それでよ?昨日ザキがなんて言ったと思う?」

昨日のザキが言った言葉を俺は思い出してまた笑いが吹き出してきた。



「ザキが?」

「『バスケットリング盗んで、公園に運ぼう』って言うんだ。
どうやって運ぶんだってーの、笑っちまうな」


「おぅおぅ!!リョーちゃんったら、何笑ってんのかなぁ?」


「おっ!ザキ!!今、ちょうどお前の話を……プっハハハ!!」



「外まで聞こえとったわ!!そんで、今更やけどおじゃましてます!!」


ザキは乱暴に座ると、あぐらをかいて俺を睨んだ。