まぁだいたい、バスケットは屋内のスポーツだから、外でバスケットをしようとするのもおかしいかもしれないが、屋内でさえ自由にできる場所もない。
つまり、バスケットを自由にできる場所がないんだ。
「……なぁ〜?」
ザキはボールを見つめてから空を見上げた。
「なんだよ。早くボール渡せよ。俺の番だろ?」
「そうやねんけどさ。ちょっと、思ってんけど、リョータなぁ、おもろいことないかって言うてたやん?」
「言ったね、なんか考えあんの?」
ザキはボールをやんわりと俺に投げた。
「バスケットリングを盗むってどう?」
「ハァ?!」

