「って、ここにリングがあったらなぁ〜。俺、2点ゲットやで」
ザキは振り返るとニカっと笑い真上から落ちてきたボールをキャッチした。
「文句いうなよ。リングなんてどこにでもあるわけじゃねぇんだ」
「せやけどさ、リングがあったらなおいいやん」
ザキは両手でボールを挟み、シュルシュルと音をたててまわした。
「リングねぇ〜」
この公園は子供の遊び場だから、遊具はあるがリングはない。
というか、バスケットコートなんて公共の場ではなかなか置いてない。
野球やサッカーをするグランドはあっても、バスケットをする場所はなかなか探してもないのが現状だ。

