ザキがボールをゆっくりとつく。
「いいぜ、来いよ」
ザキの前で両手を広げ、腰を落とす。
「俺のオフェンスはへったくそやけど、リョータのディフェンスもへったくそやな♪」
ザキはニヤリと笑うと、スピードを速めて突進してきた。
「生意気……っ!」
ボールの動きをじっと見る。
ダムッダムッ。
ボールが地面についた瞬間、手を伸ばす。
が、あともうちょっとというところでザキは体を回転させ、逆方向に突き進んだ。
クッソ!!ターンかよ。
ザキは立ち止まると、シュートモーションに入った。
膝を曲げ、両腕を垂直に上げる。
シュっと手首のスナップをきかせボールが放たれる。
クルクルと回転しボールは真上に放物線を描いた。

