「リョータ!!」










パシィ!!



相変わらず容赦のない力強いパス。






ラスト30秒。





桜井中 72:75 高木中






3点差のビハインドゲーム。



俺がここで3ポイントシュートを決めれば延長戦に持ち込める。


……はずだった。











「スティールだ!!!!」






ドリブルをしていたはずのボールはいつの間にかなくなっていた。




後ろを振り向けば、『7』という相手の背番号がふわりと飛んで、まるでお手本のように華麗なレイアップシュートを決めていた。








72対77



桜井中の負け。



リングを通ったボールは誰に拾われることもなく、虚しく跳ねていた。









……終わった。





俺の人生、終わった……。