「う~ん・・・」

意味も無く部屋の中をウロウロする。

時間だけが過ぎていき、俺の心は少しずつ焦り始めてきた。

特別、時間が決められている訳ではない。

彼女と会う時間を約束した訳でもないし、明日の仕事もスタジオへ行って曲の打ち合わせをするだけだし。

時間に余裕はある。

なのに「今日」という日が終わっていく事が、気持ち的に余裕を無くす。

彼女と会うための時間を作る事、過ごす事をとても大切にしたいと思っている。

時計に視線を送ると、自宅に帰ってきてから一時間以上が過ぎている。

キャップをはずしドカッとベッドに腰を下ろした。

「はあ・・・」

ため息しか出てこない。

「カツラとかかぶっちゃった方が手っ取り早いのかな・・・」

そんな時、携帯が鳴った。