「思い出してくれましたか!?」

「う・・・ん。何となく?」

俺が曖昧に答えると、パッと明るくなった表情が一瞬で暗くなった。

ちょっと申し訳ない気がして、真剣に思い出してみる。


あ・・・薄らだけど思い出した・・・けど。

顔が全然違う様な・・・?



俺がまだ十代だった頃。

その少女はランドセルを背負っていた。

店の奥から現れたその子は、茶髪やら金髪やらした俺達の姿を見てひどく驚きうつむいてしまった。

ビビらせてしまったと思った俺は、にっこりほほ笑んで声をかけた。