「あ~眠い…」
思わず独り言。
無意識に欠伸が出る。
『……クククッ』
え…?
今のって…
顔を上げて前を見る。
そうすると湯川貴斗の背中がかすかに震えてて。
まさか…笑われてる?あたし。
ってか湯川貴斗の笑い方、明らかに意地悪そうじゃん。
クールなキャラ…だと思ってたんだけどな。
誰が話しかけても無愛想で。
いつだって視線はどこか遠くて。
そしていつも人が近づきにくいオーラを放ってる。
それがあたしを含めたみんなのイメージ。
それなのに笑い声が
『クククッ』…??
分からない。
湯川貴斗…っていったい…??

