「今日から授業始まるのかぁ…」
教室に着くと、そんな呟きが聞こえて。
「夢大。朝からそんなこと言わないでよ。
テンション下がるじゃん」
ただでさえ、湯川にテンションちょっと下げられたのに。
「仕方ないだろ?ホントのことだし。
ヤだなぁ…俺。
勉強きーらーいー」
夢大はわざとらしく大きな溜め息をつく。
「何言ってんの。
あたしたち、受験生だよ?
勉強嫌い、とか言ってる場合じゃないでしょ。」
なんてお母さんみたいなことを言うのはアキだ。
そうじゃん。
あたしたち、中3だった。
今年、受験。
完全に忘れてたよ…