翌日



「貴斗さ」



「お前ウザイ」


そんなやり取りをしている2人。



それは湯川貴斗と夢大だ。

今日は2年の復習テストで始業式の次の日だというのに5時間授業。


まあ実質、ずっとテストなんだけど。



そして、なぜか打ち解けている湯川貴斗と夢大。



「なんか…仲良いいよね、あの2人」


そうアキに言うと



「性格は真逆っぽいじゃん?

だからそれが逆に合うんじゃない?」


と、冷静に言われた。



ちなみに湯川貴斗とあたしは全然言葉を交わしていない。

それはアキもクラスのみんなも同じで。


唯一、湯川貴斗とまともに話すのは夢大。


まあ夢大は相手におかまいなしで話したりするノー天気な人だから、

きっと湯川貴斗の冷たすぎる態度なんて気にしていないんだろう。



「それよりさ、日向。

テスト、どうよ?」



「…ヤバイね」


苦笑いで答えるあたし。



「やっぱり?ちゃんと勉強しとけば良かったぁ…って感じ。」


アキとふたりではぁ~と大きな溜め息をついた。