切なさの距離~友達以上、恋人未満~






いろんなことがフラッシュバックする。



1年しか一緒にいなかったのに、

思い出しても、思い出しても、思い出が尽きない。



学祭で、お化け屋敷に入って湯川が怖がりだってことを知った。


合唱コンクールで、湯川は実は音痴だって知った。



湯川…なんでだろう。

視界がね、霞んできた。


あと少しでゴールなのにあたし…最後まで走れそうもないよ。



動かす足が止まりかけた。

そんなあたしの手を湯川が握る。



「勝負…途中で投げ出すな」


その声は震えていて。

涙を拭う。


そして必死で足を動かした。




「……湯川」


無事、ゴール。

結果は同時。


勝ちでも負けでもない。


でも、あたしは言う。

後悔だけは、したくない。