公園に着き、言った。
「先に2周したほうが勝ち。
女だからって手加減しないで」
湯川は頷く。
「よーい…スタート」
同時に走り出す。
最初はどっちも譲らず、並んで走る。
もうすぐ湯川と出会って1年が経つ。
湯川がうちの学校に来たときは、ビックリした。
あの湯川貴斗が…って。
いつの間にか一緒に練習してて。
いつの間にか湯川の前では気取らないあたしでいれて。
いつの間にか…好きになってた。
無口だし、
自分からあまり何も喋ってくれないし、
意地悪だけど、
でも、あたしの1番の理解者。
なんでもお見通しで、
ほんとにたまにだけど、誰よりも優しくて。
そんな湯川に…惹かれて。
好きだって思ったけど、
けど、伝えるのは怖かった。
この関係が、
友達という関係が、
壊れてしまうことだけは、どうしてもイヤだったから。

