卒業式の次の日
「……湯川!」
夢大から湯川が出発する時間は聞いていた。
その日の朝。
あたしは湯川のアパートで待っていた。
「……ひな、た」
声は聞こえなかったけど、確実にそう口が動いた。
湯川はただ驚いていて。
そんな湯川に行った。
「あたしと…勝負して!
最後に…勝負、して!」
真っ直ぐに湯川を見つめる。
湯川の顔を見ると、この前のことが思い出される。
ヒドイこと、たくさん言った。
あたしの本心じゃないこと、たくさん言った。
もし、もしこの勝負で湯川に勝ったら自分の気持ち、正直に伝えようと思う。
そんな決意を胸に、ここにやって来たんだ。
「分かった」
あたしと湯川はいつもの公園に移動した。

