「これより第48回梶中学校の卒業証書授与式を行います」
肌寒い廊下で列を作り、入場の合図を待っている。
ついに来てしまった、卒業式。
番号順で並んでいるから当たり前のように前は湯川だ。
「………おい」
湯川の背中を見つめていると突然、振り返ったコイツ。
「…な、なによ」
あまりに突然で動揺するあたし。
頑張れ、あたし。
いつも通り。
今まで通りに接すればいいんだってば!
「俺…いなくなるけど、1人でも頑張れよ」
湯川はそう言って、頬の筋肉を緩ませた。
でもそれはほんの一瞬だけで。
すぐに前を向いて歩き出した。
慌てて追いかける。
バクバクとうるさい心臓。
あんな不意打ちで…
ズルイ。
ズルイよ、湯川。
ビックリして言えなかったじゃん。
「湯川も頑張って」
って。

