『あと…まあ当たり前なんだけどさ、進学の話、したかな』
「志望校、決めたのか?」
日向はうん、と小さく言う。
『今のところN高に行くつもり。
山ちゃんは今の成績なら一般入試でも合格するだろうって。
それに推薦もらえると思うって言われた。』
やっぱり日向は…N高か。
『湯川は?志望校、決めた?』
「俺は…」
言葉が途切れる。
日向がN高行く、って聞いて正直揺れた。
陸上続けて日向とまた一緒に走りたい、ってキモチをどうしても抑えることができない。
「まだ…決めてない」
俺もN高行く、という言葉は飲み込んだ。
『そっか。
決まったら1番に教えてよね!
じゃ、あたし、今からご飯だから。
また明日』
俺の返事を聞く前に携帯からツーツーツという音が聞こえて来た。
日向…気ぃ早ぇーよ。
俺の返事聞いてから電話切っても遅くないだろうに。
そんなことを思いながらふっと1人で笑った。

