あたしの中に原因不明のモヤモヤした感情が生まれた。


あたしは机に伏せ、耳を澄ませる。




「あの…連絡先、教えてくれないかなっ?」


女の子が言う。


なんて…?

湯川に?

あの湯川に?


連絡先…聞いてるワケ?



「え…なんで?」


湯川の声。


そこ…なんで?って聞く?

普通は聞かないでしょ?


いろいろと言いたいことはあった。

でも、黙っておく。

なんたってあたしはまったくの無関係な人間なんだから。