ラストスパートをかけた2位はたやすく、彼を抜いく。 悔しのか、はたまた痛みなのか顔を歪める彼。 そしてぎりぎり、2位でゴール。 そのままその場にうずくまった彼。 「なんか…ヤバそうじゃない?」 アキの声は深刻そのもので。 きっと、あれは挫いたとかじゃない。 もっとひどい怪我。 結局、彼はそのまま病院に行くことになった。 表彰式には出ず、名前だけが呼ばれる。 『3000メートル男子の部 第2位 湯川貴斗』 □□