切なさの距離~友達以上、恋人未満~






『今の…すごいわ~』


電話の相手はアキだった。

そう言えば県大から1度も連絡とってなかったんだ。



『おばさん、あんな大きい声で怒鳴ってるからあたしにまで聞こえたよ。

しかもなぜかあたしも説教されてる気分になってた。』


アキは1人で喋ってケラケラと笑っている。

あたしは恥ずかしくて受話器を持って俯く。


お母さんのドジ。



『はぁ~おもしろかった。

さて』


アキはひとしきり笑うと話を切り出す。



『明日、出発するって。


朝の7時に家を出るみたいよ。

そんだけ。


じゃ、また』


あたしの返事も聞かずアキは電話を切った。


誰が、なんて聞かなくても分かってる。

何が言いたかったんだろう…とも思わない。




「……ふぅ」


大きく、息を吐きだした。


やっと、目が覚めた。


グズグズしてても何も、変わらない。

何も、始まらない。


あたしはどうしてそんな簡単なことに気がつかなかったんだろう。