「やったー!
同じクラスだよ、日向!!」
掲示板に貼ってあるのはクラス表の紙。
そしてあたしの名前とアキの名前は無事、同じ紙にあった。
他に誰が同じクラスなのかを見ているとあたしの名前の上に気になる名前を発見した。
「………湯川、貴斗…?」
誰だろう、この人。
どこかで見たことがある、名前。
「ねぇ、アキ。
この名前、知らない?」
隣ではしゃぐアキに聞くけど
「知らない。
ってか、知らない名前くらいあって当たり前じゃん?」
と、言われる。
「そう…だよね」
あたしたちの通う中学校は全部で600人いる。
単純計算で一学年200人。
だからいくら同じ学年でも
名前は知ってるけど顔は知らない、とか
顔は知ってるけど名前は知らない、
みたいな人は結構いたりする。
でもなんか…気になるんだよなぁ、この名前。
「さて、と。教室行こう!」
アキに腕を取られ、引っ張られるように教室へ向かった。