「次、男子の部だね!」
アキが笑う。
だいぶカラダは落ち着いて、あたしは観客席に座りながらアキの話を聞いていた。
結果は優勝。
2位と大差をつけることができた。
「なんかね、今年注目の1年生がめっちゃカッコイイらしいよ」
と、アキは笑いながら言うが夢大は不満顔。
「夢大、そんな顔しないのー!」
この頃から付き合っていたふたり。
正直あたしは仲のいい二人がうらやましかった。
なんて思いながらスタートラインのほうを見る。
カッコイイ…か。
マラソンに顔は関係ない。
1番関係あるのは足の筋肉。
とりあえず、カラダを冷やさないようにジャージを羽織った。
それと同時にピストルが鳴った。

